依然として高すぎる「名変諸費用」
日経新聞掲載 2021.09.22
●名変諸費用が会員権価格を上回るのは、
関東圏516コース中376コース(全体の73%)にのぼる
●名変諸費用の平均は80万円(総額の44%)で低額ほど割高感
●高すぎる諸費用は会員権価格を圧迫、入会者は総額で見る
●戸塚、相模原など名門コースで名変諸費用の大幅値下げ断行
低額コースでは減額キャンペーン目立つ
●諸費用軽減・条件緩和で会員権価格が是正、市場活性化も
近年、戸塚、相模原、桜ヶ丘、府中など名門コースで名変諸費用の軽減が進む一方、低額コースでは期間限定の名変料の減額キャンペーンが目立ちます。とはいえ、関東圏516コースのうち73%に当たる376コースの名変諸費用が会員権価格を上回っています。
名変諸費用の関東圏平均は80万円で、入会総額に占める割合は44%です。価格帯が下がるほど名変諸費用の割合は高く、割高感が顕著なコースが少なくありません。
名変諸費用はバブル期の会員権相場上昇にあわせて値上げされた経緯がありますが、その後の相場下落時に値下げなど大きな見直しが進まないまま今日に至っているのが現状です。
入会者は総額(会員権価格と名変諸費用の合計)で入会の可否を判断するため、高すぎる名変諸費用は会員権の購入を阻害し会員権相場を圧迫する要因になります。
近年の事例をみても、名変諸費用を値下げした多くのゴルフ場では入会者が増え、会員権相場も値上がりしています。会員構成や市場の活性化のためにも名変諸費用の見直しが求められるといえます。