コロナ禍でも旺盛な個人の買い
日経新聞掲載 2020.08.18
〇1~7月の個人の買いは前年比17%増
〇お手頃中心に根強い個人の会員志向
〇150万円未満が全体の76%を占める
〇企業活動等の停滞で法人の買いは鈍化
〇1~7月の法人の買いは前年比8%減
今年の会員権市場は個人需要が牽引しています。1~7月の買い注文の推移が如実に物語っています。
個人の買い注文は、1月、3月、5月、6月の4カ月間にわたって前年の規模を上回りました。4月、7月は前年を下回りましたが、1~7月の合計では前年比17%の増加となっています。価格帯別では150万円未満が買い注文全体の76%を占めており、新型コロナウイルスの感染拡大で移動の自粛が要請される中にあっても個人のお手頃コースを中心とする会員志向の根強さが窺われます。また、今年1~7月の売り1に対する買い注文の倍率も1.5倍にのぼるなど、個人の旺盛な買いが今年前半の会員権相場を下支えました。
一方、法人需要は新型コロナ禍による経済・企業活動の停滞の影響を大きく受けました。法人の買い注文は鈍化し5月まで前年の規模を下回り続け、全体相場を圧迫しました。緊急事態宣言が解除された6月以降に復調の気配をみせて平均相場が底ばなれする原動力となりました。新型コロナウイルス感染の拡大が止まらない現在、今後の展望は予断を許しませんが、高額需要中心で相場への影響力が大きい法人の動向がカギを握っているといっていいでしょう。