上期相場6月にプラス転換
日経新聞掲載 2020.07.07
●6月相場は今年初の値上がり(+0.2%)
買いが売りの1.5倍と先行
300万円以上、500万円以上が健闘
●経済活動再開で法人需要動き出す
●上期(1~6月)はコロナ禍で平均相場▲1.3%で推移
個人需要の主導でお手頃価格帯堅調
●環境の改善で相場は安定から緩やかな上昇も
会員権相場が転換点を迎えた感があります。平均相場は5月までマイナスでの推移を余儀なくされましたが、6月は今年初めて月間でプラスになりました。6月は買いが売りの1.5倍となり、高額価格帯の一角や中堅上位、お手頃価格帯が値上がりして平均相場は0.2%値上がりしました。
とくに、厚木国際、武蔵、狭山、千葉、袖ケ浦、総武、茨城、メイプルポイント、大浅間をはじめとする名門や優良コースの値上がりで、停滞が続いていた500万円以上や300万円以上の価格帯が下げ止まりから反発色を強めてきたことが注目されます。中でも300万円以上が大幅に上昇しました。リタイア層の20~30年を見据えたゴルフ計画に基づく優良コースの物色も寄与しているようです。
6月は反発しましたが今年の上期はコロナ禍を嫌った買い手の様子見が響き、平均相場は半年で1.3%の値下がりを余儀なくされました。堅調な個人の買いによって中堅下位・お手頃の価格帯は値上がりしましたが、高額や中堅上位は世界経済の悪化による法人需要の停滞から値下がりし、全体相場を圧迫しました。
5月の下旬以降は、緊急事態宣言や都道府県をまたぐ移動制限の解除など環境の改善が進み、買いが戻るとともに買いの希望値も上がり始めました。買いの本格化までには至りませんが、経済活動の再開によって動意の兆しがみられる法人需要の復調も予想されるなど、今後の相場は安定から緩やかな上昇に向かうと思われます。