5月市場は売買のバランスが大きく改善
WEB掲載 2020.06.03
●コロナ禍の影響で注文数は伸びを欠くが、
買い注文が売りの1.6倍にのぼる
●平均相場は▲0.6%で水面下の推移続く。一方、
中堅・お手頃価格帯は買いが多く値上がり局面も
●緊急事態宣言の解除で企業活動の活発化期待
●高額・名門需要の法人動向が市場活性化の鍵
5月の会員権市場は需給状況が大幅に改善しました。コロナ禍の影響で様子見ムードが残り4月に続いて注文数は伸びを欠きましたが、買い注文が売りの1.6倍にのぼりました。
また、関東圏平均相場は▲0.6%(4月▲0.1%)と水面下での推移を余儀なくされましたが、中堅・お手頃価格帯では安定感もみられました。
個人中心の買いのため注文金額は抑えられていますが、買いの多い中堅やお手頃価格帯では値上がり局面がみられるなど相場を下支えしています。とくに300万円以上では月間0.6%の値上がりとなりました。
一方、高額については依然として法人の動きが鈍く買いが少ないため全体相場を圧迫する状態が続いています。しかしながら、コロナ禍の収束には至らないものの欧米で経済活動が再開され国内でも緊急事態宣言が全面解除されました。今後、環境の改善に伴って企業活動が活発化するにつれて会員権の見直し買いが復活してくると思われます。この過程では法人の名門回帰を背景とする高額銘柄需要の盛り上がりによって会員権市場が活性化され、全体相場が安定から上昇に向かう可能性があります。
相場に大きな影響を及ぼす法人の動向が注目されます。