底値買いの好機到来
日経新聞掲載 2019.11.12
〇今年は3年ぶりの値下がりで特に10月は大幅安
貿易摩擦等経済情勢の不透明感、消費増税が要因
〇法人の動き鈍く、年会費負担から高齢者の処分目立つ
〇年間で最安値が多い11月、早くも底値拾い始まる
〇高額コースなどの物色目立ち始め、今こそ底値買いを
値上がりで始まった今年の会員権相場はその後、停滞傾向が続き、とくに10月は大幅安となり16年以来3年ぶりのマイナスが避けられない情勢です。
米中貿易摩擦等による経済情勢の先行き不透明感から、年の中盤以降法人の動きが鈍ったほか、高齢者の処分、そして10月からの消費増税による買い手の様子見などが響きました。
下表をみてもわかるように、会員権相場は例年、「秋安・春高」というトレンドを繰り返しています。近年では、新年度の年会費の徴収を避ける処分が秋から年末近くにかけて膨らんで値下がりして11月~12月にその年の最安値を付け、春のゴルフシーズンに向けた個人の買いや新年度に向けた法人の本格的な需要を背景に年末ないし年初から値上がりしていくという流れが顕著です。
今年から来年にかけても相場は同様の推移をたどるものと思われます。厳しい市場環境の中にあっても、10月中旬以降はこうした相場のトレンドを見越して、早くも高額コースを中心に相場の底入れ・先高を先取りする物色も出始めています。底値買いの好機が到来したといっていいのではないでしょうか。