縮小傾向続くゴルフ場の法的整理
WEB掲載 2018.03.27
●昨年申請9件(前年比▲44%)で20年ぶりの一桁台。
●負債総額も329億円(同56%減)と大幅に減少。
●沈静化傾向だが預託金債務を抱えるコースもあり、 経営環境次第では法的整理が生じる可能性も。
●会員の利益・権利の保全への取り組みが最大の課題。
ゴルフ場の法的整理が縮小傾向を続けています。平成29年は申請件数9件(既設9コース)、負債総額329億円で、前年に比べて、それぞれ44%、56%減少しました。申請件数は20年ぶりで一桁台になりました。既設コース数も民事再生法の施行を契機に急増した平成14~16年をピークに減少しているとはいえ、バブル経済崩壊後からの累計は956コースを数え、会員制ゴルフ場の5割近くに達します。
法的整理は沈静化の方向にありますが予断を許しません。懸念点の一つは、多額の未償還預託金を抱えているゴルフ場が多いことです。また、高齢ゴルファーの離脱や若年ゴルファーの伸び悩みからプレー人口の減少が懸念される中での集客競争の激化や二極化など、経営環境は厳しい状況が続いています。このため、今後も廃業や事業転換、再建を賭した法的整理が発生する不安が拭えません。