全面高で滑り出す夏相場
日経新聞掲載 2017.08.08
● 7月の上昇幅は今年最大で年初比値上がり率も拡大。
● 300万円以上、70万円以上筆頭に全面高演じる。
● 法人は交通至便で規制の少ない名門・中堅を選択。
● 好業績、株価の高位安定等明るいムードが買いを後押し。
● 損益通算廃止から3年、投げ売りが減少。相場底上げも。
7月の会員権相場は反発に転じました。毎週の平均相場は微増ながらもプラスを維持。月間では0.9%の値上りとなりました。
4月以降3ヶ月ぶりの反転ですが、7月末時点では年初に比べて1.3%の値上りとなりプラス幅が広がりました。
価格帯別にみると7月は、300万円以上の中堅上位と70万円以上のお手頃価格帯を伸び頭に全面高が演じられました。
相場が上昇に転じたのは、買い注文が増えてきたためです。株主総会を終えた法人が新役員向けの購入を活発化させ、個人も引き続き根強い買いをみせています。
法人はどちらかというと、都心から近い名門の一級品を選択しますが、入会条件が厳しすぎるコースを敬遠し、入会手続きの緩やかな準名門・中堅上位のコースに人気が集まりました。
3年前からの会員権譲渡の損益通算の廃止以来、低額コースの投げ売りがなくなったことも相場の底上げ要因として見逃せません。
例年7~8月の夏場は買いが細って相場が一服する傾向にありますが、今年の夏相場は買い手先行で滑り出しました。企業業績の良さや日経平均株価の高位安定などの明るいムードが、会員権の買いを後押ししているものと思われます。